腎機能低下の成れの果て…

泉川病院 腎臓内科医師

前川 明洋

腎不全は末期になってから症状がでる恐ろしい病気です。症状としては、食欲不振、倦怠感、ふらつきといった尿毒症の症状や、尿量が減少することにより、むくみ、体重増加、呼吸困難(肺にも水がたまるため)、カリウムを排泄できなくなり死に至る不整脈を起こしたりします。こういった命に関わる状況になる前に透析の準備が必要です。
現在、我が国の透析導入の原因は、糖尿病、慢性糸球体腎炎、高血圧症の順です。また、慢性腎不全があると、表のように心臓血管病のリスクが約3倍になるということがわかっており、正常の人よりもさらに血圧、血糖に気をつける必要があります。
また、腎臓を痛める原因としては、肥満、喫煙、市販薬の長期間の内服(痛み止め、風邪薬、漢方薬など)などがあります。腎臓に問題がある人は、市販薬を購入する前にかかりつけ医に相談をすることをお勧めします。

 

※慢性腎臓病:1つの病気の名前ではなく、腎臓の働きが徐々に低下していくさまざまな腎臓病の総称。慢性腎不全も慢性腎臓病に含まれる。

関連記事

  1. 腎臓の働きについて

  2. なぜ腎臓は悪くなる?

  3. 慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)とは?

  4. 腎臓のしくみ

  5. たんぱく尿について