高血圧の治療

泉川病院 院長
泉川 卓也

高血圧の治療の目的は、高血圧持続により起こる心臓や腎臓の臓器障害、動脈硬化による脳卒中や心筋梗塞などの合併症の予防です。
治療は、薬物療法と非薬物療法に分けられます。

◎薬物療法
薬物療法とは薬による治療です。現在では優れた薬があり、ある程度の血圧はコントロール可能です。

◎非薬物療法
非薬物療法とは食生活(塩分過多)・生活習慣(喫煙、飲酒、睡眠不足・ストレス・肥満・運動不足)の改善による治療です。

このように2つの治療法がありますが、薬物療法のみでは十分ではありません。食生活・生活習慣の見直しも大切です。軽症例では、非薬物療法のみで血圧コントロールが可能な場合もあり、内服開始後も生活習慣改善で薬の減量ができます。

◎高血圧の治療のポイント
●食塩制限・・・日本人の1日の平均食塩摂取量は10.2g(※)、高血圧患者の推奨摂取量は6gです。塩分を過剰摂取すると、体の中の塩分を薄めるため、血管に水分が集まり、血圧が上昇します。
●禁煙・・・喫煙により血圧が一時的に上昇します。
●飲酒・・・飲酒により血圧が上昇しますが、適量ならばストレス解消、睡眠を促し、動脈硬化予防など、好ましい効果もあります。適量が大切です。
●運動・・・運動により肥満を解消→体重減少→血圧も下がります(10kgで約10mmHg)。
健診を受け、生活習慣を見直すことが健康にとって一番大切なことです。

※平成25年国民栄養調査より

 

 広報「南島原」2015年10月号掲載

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