知っていますか?インスリンの働き

哲翁病院 副院長

哲翁 和博

クルマがガソリンを燃料にして動くように、私たちの体は、血液中のブドウ糖を燃料にして動いています。ブドウ糖は、ご飯やパンなどの炭水化物、お菓子や果物などの糖分に含まれています。普段の食事から取ったブドウ糖が、血液中に溶け込んで全身に運ばれることで、エネルギーとして働き、私たちの脳や筋肉・内臓が動いて、生命が維持される仕組みになっているのです。

血液中のブドウ糖は「血糖」と呼ばれ、食事の他、さまざまな原因で変動しますが、健康な人の体内では、いつも一定の幅の中で保たれています。血糖を一定に保つために働くのが、膵臓のランゲルハンス島β細胞にある、インスリンというホルモンです。

インスリンの主な働きは、全身のほぼ全ての臓器細胞にブドウ糖を取り込ませ、肝臓や筋肉でブドウ糖からグリコーゲン(貯蔵糖)が合成されるのを促進します。また、貯蔵糖の分解抑制、脂肪組織で脂肪の合成促進、脂肪の分解抑制をします。つまり、血糖調節以外に脂肪蓄積にも使われているのです。

 

広報 「南島原」2014年8月号掲載

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