生活習慣から見た大腸がんの発生と予防

つねおかクリニック院長

常岡 伯紹

近年、大腸癌は罹患率(病気にかかる確率)・死亡率とも大きく上昇しており、年間死亡者数は男女共に2万人を超え、この50年間で約10倍になっています。これは生活習慣の欧米化が原因と考えられています。

具体的に何が大腸癌の原因となるのでしょうか?まず直系の親族に大腸癌の方が複数人いる家族の発癌リスクは高くなります。生活習慣では肥満と過体重、飲酒や加工肉(ベーコン・ハム・ソーセージなど)の大量摂取も大腸癌の発生と関連があると言われています。また喫煙も大腸癌の発生を促す可能性があります。

では大腸癌の予防法はあるのでしょうか?運動や野菜の摂取には確実に予防効果があると言えます。その他果物や葉酸、カルシウム、ビタミンD、食物繊維などにも予防の可能性があります。薬剤では鎮痛剤の一種やホルモン補充療法が発癌の危険性を低下させると報告されています。

しかし大腸癌を完全に予防することは出来ませんし、早期の大腸癌であれば完全に治癒することが可能な時代になっていますので、検診などで無症状の時期に早期発見することが最も大事な予防法と言えるでしょう。

 

広報 「南島原」2014年3月号掲載