「LDLコレステロール」について(2)

泉川病院 院長

泉川 卓也

高LDLコレステロール血症とは

高LDLコレステロール血症とは、LDLコレステロールが血液中に多く存在するタイプの脂質異常症です。コレステロールの検査値の中では心血管疾患の絶対的危険因子であり、その他のコレステロール、HDL、中性脂肪と比較して重要度が高いです。(診断基準として血液検査LDL-C:140mg/dl以上。)

高LDLコレステロール血症が継続すると、全身の動脈硬化症が進行し、放置すると心臓に負担がかかり、高血圧、心肥大、心不全などの心疾患につながります。動脈硬化が進み血管が狭くなったり詰まったりすると、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症などを引き起こします。また、血管が破れると、クモ膜下出血、脳出血の危険も出てきます。
原因として次の3つが考えられます。
・生活習慣に起因する脂質異常
喫煙・食生活の乱れ・運動不足・睡眠不足等により上昇。
・家族性脂質異常症
LDLコレステロールの代謝異常など先天的要因(遺伝)により上昇。
・二次性脂質異常症
甲状腺・腎臓の病気、閉経後や妊娠中等も上昇する原因となる。

健診時の採血は、当日朝食後、前夜遅くの食事・飲酒は中性脂肪値が高値、コレステロール値が低値となり正しい評価ができません。食後10時間以上あけて採血をしましょう。

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